鏡餅の準備とお供えのルール
画像:三宝にのせた鏡餅
鏡餅は稲魂が宿るとされる特別なお餅
鏡餅があるとぐっと家の中がお正月らしくなりますね。
その鏡餅ですが、いったいどうしてこういった二段重ねの丸いお餅なのか?についてはさまざまな言い伝えがあります。
鏡餅が重なっているのは?
丸い形は三種の神器のひとつである銅鏡を模したものだとも、人間の心臓をかたどったものだともいわれます。神様のお使いである白蛇がとぐろを巻いた姿であるという説もあります。
また稲の神様の魂が宿るともいわれています。
そして2つの餅を重ねるのには、「めでたさを重ねる」という意味合いがあるのだともいわれます。
鏡餅の歴史
鏡餅の歴史は古く、平安時代にすでに貴族の間でお正月に飾られていた記録があり、室町時代には武士の間で具足もちとして、新年に飾られていた記録があるということです。かなり古い風習ですね。
江戸時代に入り、徐々に縁起をかつぐ商人へと鏡餅を飾る風習が広く広まったといわれています。
神様様とともに年を重ねることの象徴となる大事なお餅です。きちんと飾ってお正月を迎えましょう。
鏡餅のお供えしかた(飾り方)
お供えする(飾る)場所は?
鏡餅をお供えする場所は神様を上座にお迎えするように床の間など玄関から遠い位置に飾るのが良いという説や、玄関に飾るのが良いといった説など諸説あります。
とはいえ、昨今の住宅事情では思うにまかせないことも多いもの。
1番だいじなのは、お迎えする歳神(年神)様(歳神さまについてはこちら)に失礼のないようにという心遣いではないでしょうか。
床の間がない場合はリビングのカップボードの上などに飾るなども良いでしょう。
小さい鏡餅を台所や納戸、トイレ、水回りなど神様が宿るとされている場所飾るのも良いでしょう。
多くの地域で荒神さま(台所の神様)に供えるお餅だけは3段重ねのものにします。
ちなみに管理人宅では、玄関に大きいものをひとつ、神棚4カ所(うち1カ所は荒神社)にそれぞれ小さい鏡餅を飾ります(いわゆる古民家なもので...)。
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鏡餅は個別パック餅入りのものがおすすめ
鏡餅は近年は個包装の小さいお餅が鏡餅型の容器に詰められたものが主流となっています。鏡開きの際にとても便利ですので、特にこだわりがある場合を除いてはこういったものを利用するのも良いでしょう。
お餅の形に気をつけて!
ネット通販で個別パックタイプの鏡餅を購入される場合は中の個包装餅のタイプに気をつけましょう。
リアルのお店(地域のスーパーなど)ではその地域で主流のタイプのお餅が詰まったものが売られていますが、ネット通販ですと地域のしばりがないので「角餅(切り餅)タイプ」か「丸餅タイプ」かは選択次第となります。
パッケージに記載はありますし、下記のようにメ―カーによっては、パッケージデザインが丸餅か角餅かで多少異なりますが、小さい画像ですとうっかりしやすいのでご注意ください。
鏡餅の飾りつけ
鏡餅の飾り付けは、三宝または折敷の上にに裏白と御幣あるいは四手をのせて敷き紙をのせ、その上に鏡餅を載せます。鏡餅の上には橙(なければミカン)をのせるのが一般的です。
敷紙は四方紅といって神前へのお供えの際に使う縁が紅色の和紙を使うのが一般的ですが、なければ奉書紙を正方形に切って使います。
地方差もさまざま
鏡餅の飾り方は地方によってことなり、串柿や昆布、水引、末広(紙でつくった扇の飾り)、紙に包んだ米や塩、スルメ、エビの飾りなど、鏡餅を飾るアイテムは地域によってさまざまです。また、同じアイテムも載せる順番が異なる場合もあります。
鏡餅を飾るのが初めてという場合、特にご家庭での決めごとがなければ、飾り付けがセットされているものを利用し、その上で地方別アイテムがあれば追加というのが手軽かと思います。
切り餅が入ったものと丸餅が入ったものがありますのでご注意くださいね。
鏡餅を飾る日取り
鏡餅を飾る日取りは他の正月飾りと共通で31日は一夜飾りになり神様に失礼にあたるので避け、また、29日を避けて飾ります。
29日を避けるのは29日にすると「苦を重ねる」ことになるので、それを避ける意味です。
お供えした鏡餅を下げる日取り
正月の11日に鏡開きをする際に下げます。下げたお餅は雑煮やお汁粉(ぜんざい)にしていただきます。
鏡餅いろいろ
金沢の紅白の鏡餅
全国的には鏡餅は白が主流ですが、一部地域では鏡餅は紅白のもの(上が紅、下が白)が主流なのだそうです。
有名なのは金沢周辺で、加賀前田家の風習を城下の町人が真似たのが始まりと言われます。
石山寺(滋賀県)のミカンと互い違いに積み上げた背の高い鏡餅(滋賀)
ご家庭のものではありませんが、滋賀県の古刹、石山寺でご本尊にお供えする鏡餅は小型のお餅とミカンとを交互に積み重ねたとても珍しいものです。詳しくは石山寺公式ブログをどうぞ
尾張大国魂神社(国府宮)の大鏡餅
愛知県の尾張大国魂神社(国府宮)で旧正月の時期に行われる「追儺(ついな)神事」にさきだって、六俵どりという巨大な鏡餅が供えられます。
【おまけコーナー】
アマビエ様の小飾りがサトウから登場
ミニサイズの鏡餅:小飾りは、従来からパッケージにさまざまなキャラクターや干支が描かれたものなどがあり、多彩でしたが、今季、サトウの切り餅のサトウから、アマビエさまの鏡餅小飾りが発売されました。
スーパー等でも大量に出回ると思われますが、やはり人気は高いと予想されますので見かけたらお早めが吉かも。
サトウ食品 サトウの福餅入り鏡餅小飾り アマビエさま ¥318 (税込・送料別)【LOHACO】)
ネットで購入される場合は販売単位にご注意を。箱単位(30個or45個など)であることもあります。
投稿者:狸穴猫
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