トップページ>第拾伍話 嘘と沈黙 解説
【あらすじ】
かつて恋人関係だった時、ミサトは加持に自分の父親を求めていた事を知り、分かれてしまう。
5年ぶりに再会したミサトと加持。お互いあの時と違う姿となった今、加持とミサトの新たなる関係が始まろうとしていた。
最初にゼーレのキール議長から苦情がきたと冬月が言っている。その時「アダムは順調だ。Eva計画もダミープラグに着手している。ゼーレの老人は何が不満なんだ」とゲンドウが愚痴っている。その後「全ての計画はリンクしている。問題は無い」とゲンドウが言うが冬月に「レイもか?」と厳しい指摘をされる。レイは何の計画を示すのか、少なくともレイという存在が単に自然発生的でないのが伺える。
シンジが、父と共に母の墓に行く日の前日、レイに「(父さんに)何話せばいいと思う?」と尋ねている。そして、自分の部屋に篭っている時に父の言葉を思い返している。父という存在に対してどう触れたら良いのか分からないのである。(嫌いならば、何を話す必要も無い。)尤も、触れ方が分からないのはゲンドウも同じように見える。
墓にシンジとゲンドウが来たとき、「人は思い出を忘れる事で生きていける。だが決して忘れてはならないものもある。ユイはそのかけがえの無いものを教えてくれた。私はその確認をする為にここに来ている。」とゲンドウが語るところがある。ゲンドウは未だにユイとの思い出を忘れられないでいる。そしてその思い出がとても大切なものであるという事が、今までの、そして今後の彼の行動に大きく繋がっている。
しかし、ここで疑問なのは、ユイと共にいた時間を忘れられぬゲンドウが、その遺産であるシンジに対して何故ここまで冷淡なのか。ここには何かしらの理由があるだろう。そして「全ては心の中だ。今はそれでいい」という台詞は、「今は」というのを意識して考えておく必要がある。
最後、シンジが父と別れるときに「あの、今日は嬉しかった。父さんと話せて」という場面がある。前の場面でミサトに強く一歩を踏み出し、そのまま続ける事を言われたが、それをやり遂げたのである。また、チェロを弾いた後の場面、アスカが誉めるのに対し、否定的なことを言い何故続けたのか理由を問われたとき「誰もやめろって言わなかったから」と他人のせいにするような、弱い発言をしている点は、新たに分かった彼の性格の片鱗である。
ミサトが「加持君が、あたしの父に似てるって。自分が男に父親の姿を求めてたって。それに気付いたとき、怖かった。どうしようもなく怖かった。」、そして、最後自分の事を卑下するように自分は臆病者だと加持に告白する場面がある。ミサトが加持に心を許している事が良く分かるシーンである。
また、アスカがシンジに「キスしよっか。」と言い、キスをする場面がある。キスし終わった場面でシンジが(このとき呼吸を止められていた)ばぁっと息を出すがアスカは何故か目も見せない描写がされていて、洗面台にうがいをしに駆け込む。アスカに大人になりたいという気持ちが強く、そして終わったとき誤魔化すように洗面台に駆け込んだのは、実はシンジのことを気にしていたからではないかという事が考えられる。
最後に、ターミナルドグマにてミサトと加持がアダム(大分前の話で、アダムが卵のまま硬化ベークライトで固められているシーンがあるため、これは違うだろうが)を見るシーンがある。アダムで無いとするならば、これは何なのか。セカンドインパクトの秘密、NERVの謎がここから深まっていくのである。
(注釈:第八話において加持がアダムを運んでいるが、この話でのアダムとを比べて考えた場合、加持自身が運んだあのアダムを、加持がアダムと認識しなかったか、アダムが既に発現してあのような姿になったと考えているかどちらかである。若しくは、作者の初歩的なミスか?)
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