新世紀エヴァンゲリオン〜独断と偏見による徹底解説!〜

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第拾弐話 奇跡の価値は 

【あらすじ】
15年、西暦2000年。調査隊ただ一人の生存者、葛城ミサト。彼女は己の恨みを使徒へぶつけていた。

そして、成層圏から飛来する第十の使徒。作戦遂行確率0.00001%という中で、ミサトは己が復讐の為にそれを実行に移すが・・・。

第拾弐話 解説

最初、光の巨人みたいな物が立っている所、そして、それが大きく羽を広げる場面がある。ミサトの父が自らを犠牲にしてミサトを助ける為にカプセルに入れた後、死海(恐らくは)の中で光の柱を見るが、まさに恐怖を直視したと言っても良いだろう。後の話になると分かるが、一時期ミサトは失語症にかかっている。このシーンが、見ている人にも恐怖を伝えるには十分であろう。

Evaのハーモニクスのテスト中に作業員が「まさにEvaに乗るために生まれてきたような子供ですね」と言うとミサトが「あの子は嬉しくないわよ」と言う所は、ミサトがシンジの感情を上手くつかんでいるのがわかるシーンである。また、アスカがシンジのテスト結果が良かった事を妬み、苦笑いするシンジに対して怒るシーンがあるが、その理由がわからないといってミサトに尋ねたとき、「そうして、人の顔色ばかり気にしているからよ。」と言う所はシンジが人との付き合い方もあまり良く分からず、ただ嫌われなければ良いような形で接している事を言ったのだろう。

ケンスケが企画した祝賀パーティでの騒ぎでも、シンジが苦手に思うシーンが或る事から、恐らく確実だと思う。また、ミサトに「昇進ですか・・・それって人に認められたって事ですよね。」という所は、自分が他人に認められたいと思う事の裏返しである。だがミサトは、それ(認められたいという事)がここにいる理由じゃないと言う。

ゲンドウと冬月が南極に行った時「(死滅しなかったのは)科学の力で守られているからな」と冬月が言った時、ゲンドウが科学は人間の力だと言う。返す言葉で「その傲慢が、15年前の悲劇、セカンドインパクトを引き起こしたのだ。」と非難の口調で言い返した。今までの解釈で行くと、使徒発見が人類の科学の力で引き起こされた、という事になるが、使徒発見は偶発的なものであるというリツコの話と食い違っている。とすると、一体セカンドインパクトは何が原因で起きたのか。ここは非常に興味深い。

ミサトが作戦開始の時、シンジ達に「規則だと遺書を書く事になっているけど、どうする?」と言うが、このとき、レイ、アスカは自分の意志で拒否した。だが、シンジは二人の様子を見て「僕もいいです」と断っている。細部にキャラクターの感情が盛り込まれているので細かいところを注意したい。 

また、シンジがアスカに何故Evaに乗るのかと聞いているとき、アスカが「自分の才能(存在)を世の中に示すため」と言っているが逆にシンジが問われたとき、わからないとシンジは答えている。何の目的も無いままただ流されている乗っているだけなのだということが、この話になってもまだ伺える。

 ミサトが自らの代わりになって死んだ父の事を覚えていて、そして、セカンドインパクトを起こした使徒(かどうかはこの話では分からなくなっているが)に対する復讐をする為にNERVに入ったと語る場面があるが、段々と、セカンドインパクトの真実を探るようになっていく。ミサトの、セカンドインパクトに対する序盤の考えが伺える。

また、最後、使徒を倒した後にシンジが父に「よくやったな、シンジ」と言われた後「父さんのさっきの言葉を聞きたくてEvaに乗っているかもしれない」とミサトに喋る所がある。こうして、またEvaに乗る目的を理解したが、後半その思いがどうなるかも、研究のしどころがある。





 
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