トップページ>第参話 鳴らない、電話 解説
【あらすじ】
見知らぬ世界に諦め、状況に流されるままに歩むシンジに、友人などできるはずもなかった。
ミサトに渡された電話は未だ鳴らない。だがEvaのパイロットであることが彼の存在を有名にする。
一方で、妹が重症を負った鈴原トウジは、彼を許せないでいた。第4の使徒、シャムシエル襲来に、何故まだEvaに乗っているのかとシンジは疑問を抱きながら、出撃することに・・・。
序盤、シンジの憔悴した顔を見ればわかるが、恐らく彼自身は納得も拒絶も行わぬ曖昧な状態で居たのは確かである。
赤木リツコの言葉の、「人の言うことには大人しく従う。それがあの子の、処世術じゃないの?」というところから察するに、彼は現実への抵抗を無駄と感じ、従順したのである。だが一方で、転入したクラスの生徒からEvaのパイロットなんでしょと聞かれ「YES」と答えているところから、注目されることである程度、そこに自分が居る意義、即ちEvaに乗る為という目的を確認したかったのではないだろうか。
しかし、鈴原トウジに殴られ「僕だって、乗りたくて乗っているわけじゃないのに」とシンジが言うところは、むしろ目的というより義務であるかのような発言である。よって、Evaに乗らなくてはいけないという義務だけが、彼がそこに居つづける為の居場所になったと言える。
そして、中盤以降の戦闘シーンでは、無知のような訓練どおりの行動を行い反撃される。その時、シェルターから出てきた、鈴原トウジと相田ケンスケを見つけ困惑する。活動限界が近づいて撤退するように言ったミサトの命令を完全に無視したところを見るとやはりそこに「Evaに乗らねばならない」という義務に固執し、更にここで勝たねば居場所がなくなるように感じたのかもしれない。
乗りたくて乗っているわけじゃない。けれども居場所が無くなれば、父にも、周りからも孤立し見捨てられる。それが入り混じったか、プログレッシブナイフを装備し、「逃げちゃ駄目だ」という言葉と共に、絶叫したと思われる。ここには、碇シンジという自分の形が貧弱な者の悲痛な状態を表しているように見えてならない。
その後、トウジがシンジに電話をかけたが、やはり通じなかった。ここに、触れてもらいたくない、でも触れて欲しい、分かって欲しい部分もあるシンジの感情が(彼自身はでてないけれども)あるような気がする。
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