【B】気体を冷却する
気体を冷却するケースというのは気化したものを冷却して液化する場合だけと考えればよい。
(実験装置の問題ではそれ以上は追求され得ない・・・・難しすぎるから)
基本的に方法は水で冷やすか、空気で冷やすかの二つだ。
水冷か空冷かは装置の大小(小さいなら空冷、大きいなら水冷)と液化する液体の沸点(高めなら空冷、低めなら水冷)で決まる。
あとは、「液化した液を別の容器に回収するケース」と「液化した液を元の容器に戻すケース」で分ければよい。
【液化した液を別の容器に回収するケース】
蒸留によって純度を上げたりするときはこのケースだ。
空冷で済むなら気化した気体をガラス管に通し、先に受け器をおいて液を受ける。
水冷ならリービッヒ冷却器を反応容器に接続して、水を通して気体を冷却し、アダプターを通して受け器で液体を受ける。(冷却器は別のスタンドでクランプを用いて固定・・装置の大小により1〜2カ所)
空冷にせよ水冷にせよ、受け器に回収するのであるから気体の入り口が液化した液体の出口より上になるように配置する。
受け器は、ビーカーでも三角フラスコでも良いが、回収する液体が揮発性の高い気体かどうかでアダプターとの接続や受け器を冷却するかという点を少し変えなければならない。
揮発性の高い物質の場合、常温でおいて液化した液体の入り口を解放しておくと、そこからどんどん気化してしまう。それを避けるために冷却したり、さらに、出口を塞ぐ(液体の入り口は確保するが気体の出口は最小限になるよう、受け器に三角フラスコなどの栓をしやすい容器を用いてアダプターを栓に通して液を受ける。この際、内圧があがりすぎないように・・・最小限の気体の出口をチューブを通して作っておく)
【液化した液を元の容器に戻すケース】
何かから成分を抽出したりするときや、長時間の加熱するケースだ(加熱するとき、放っておけば溶媒が蒸発して液量が減少してしまう。・・・これって結構都合が悪いことが多い・・・で、気化したのを液化して元の容器に入れれば面倒がないってこと)。
空冷なら長めのガラス管を栓をとおして直立させるだけである。
水冷の場合、コレは還流冷却器を用いる。
還流冷却器は直立させて水を通して用いる。
★冷却器への水の通し方。
対流によって温かい水は上へ、冷たい水はより下へという流れが起きるのは冷却器内部でもお風呂でも同じこと。となると、目的が冷却であるから温かい水が上から流れ出て、冷たい水が下から入るというのが、効率がよいわけ。
だから、どんな冷却器であっても、水の入り口に高低差が生じるタイプならば、水を入れるのは下から、出すのは上からとするのがベストなわけだ。
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