大学受験における実験器具の取扱い

2.反応させる容器
実験では当然、何か反応が関わっていることがほとんどである。
(しまっておくなんてのは問題にならないからね)

で、反応させる容器を選ばなきゃならないし、その容器をどう扱うかといった問題が出てくる
【A】液体内での反応

もっぱら、こぼれや飛び散りの可能性と加熱するか否か、入れる量で容器を考えればいい。

1.容器の大きさは反応溶液の量で決まる。
容器に入れる液体は基本的に容器の1/3以下、多くても1/2以下だ。
2.容器の形と加熱の有無
【加熱しない場合】加熱しないならどんな容器であれ、反応に関わってしまう容器でなければいいのだ。
こぼしづらいように、できれば安定しておける容器が良いだろうが、安定して固定できる台があれば別に構わない(試験管など)

【加熱する場合】加熱するときは、ちょっと注意ぶかく容器を決めなくてはならない。
特に直火(金網ごしでも)や、かなり高温になる場合は、要注意
ダメなものの筆頭は三角フラスコ、丸底フラスコである。
あとは加熱中容器を支えておく必要があるかどうかなどで形状は決まってくるのだ。
実際上は、横綱:丸底フラスコ、大関:試験管、小結:ビーカーといった感じ。
3.あらかじめ混合して反応させる。混合しながら反応させる場合

あらかじめ混合してから反応開始するなら上記の観点だけで良いが、混合しながらとなるといきおい混合させるものを投入するための入り口が確保されねばならない。となると、次のいずれかを取ることは間違いない。

・後からものを入れやすいように口がある程度開いている容器を使う。
・栓と滴下漏斗で入り口を作っておく。
【B】固体の加熱

固体の加熱は少量の試料を用いた加熱だけを考えておけばいい。

となると次の二つしかない。
【せいぜい250度程度まで】要するに、耐熱ガラスの耐熱温度を超えない程度
当然「耐熱ガラス」の試験管を使う

空気の対流を考慮し、物質の温度が試験管内部になるよう、ホンのわずか(角度にして5〜10度くらいかな)試験管の底の方を上げるようにクランプなどで固定。

【それより高温】
磁器の「るつぼ」を炉に入れて加熱する。
【C】気体と液体の反応

こりゃ、基本的に混ざるわけないのであらかじめ混ぜておくことはできない。
となると、気体を液体にぶくぶくと通すしかない。

・気体を外に漏らしたくないときは洗気瓶を用いるのが普通。
・そうでない時はビーカー等に入れた液体にガラス管などを通じて気体を送り込む。

メカニズムは同じ。密閉性だけが違う。
【D】 気体と固体の反応

これまた、あらかじめ混合しておくことができるわけはない。
粒状にした固体を太めのガラス管などに入れてて栓とガラス管で通気できるようにしておき、
気体をの固体に触れさせるくらいしかない。

直管でもU字状のものでもどちらでも良いが、よくU字管を使った図を目にするね。
U字管を使うと装置が長くならないというメリットがあるのだ。(装置全体が長くなると扱いづらいし支えるのも大変だからね)