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カステラのひみつ-長崎といえばカステラ、その歴史をひもとく-

カステラとは?-カステラの歴史-

カステラとは?と聞かれて、「外国から伝わったらしい長崎のお菓子」というのまではピンと来るけど...というひとも多いでしょう。

カステラはスペインのお菓子「ビスコチョ」が原型といわれます。

400年ほど前、スペインのカスティリアから長崎経由でとあるお菓子が伝えられました。カステラを持ってきたポルトガル人に、その菓子の名前を聞くと、ポルトガル人は「カスティリアのお菓子(カスティリアボーロ)」であると説明したらしいのです。しかし、それを聞いた400年前の日本人は「カスティリア」がそのお菓子のなまえだと思いこみ、それがなまって「カステイラ」「カステラ」と伝えられたのだそうです。

とまれ、この伝わったお菓子が現在のカステラの原型です。その後長崎で長年にわたって改良が加えられ、現在の長崎カステラができあがったのです。

日本全国に広がったのは明治以降

鎖国が解かれた文明開化以降は長崎だけでなく、全国にひろまりました。
また、昭和中期、「カステラ一番電話は二番...」のクマのダンスのCMが大ブレークし、さらに広域で「カステラ」の名が広まりました。

明治期以降、手みやげ・進物用の高級菓子として愛され続けてきたカステラですが、卵たっぷりで栄養豊富、消化もよく、日持ちもよいということで、お見舞い用にも多く用いられるようです。

カステラは何からつくられる?

カステラの材料は「卵」「砂糖」「水飴」「小麦粉」が基本です。水飴のかわりに蜂蜜を使ったり、いろいろな風味材料をいれることもあります。

特徴は油脂類が入っていないこと。これがケーキのスポンジ生地との大きな違いです。

「カステラのしっとり感」は主に「砂糖」「水飴」の保湿性によるものです。それに対してスポンジ生地の場合焼き上がりをしっとりさせるためには「油脂」が大きな役割をになっています。

砂糖は上白糖のほか、ザラメ・和三盆糖などが使われることがあります。こと長崎カステラの特徴は「底のザラメのじゃりじゃり感」ともいわれますが、ザラメは底に敷いているのではなく、生地をしっとりさせるのに配合されたものが焼いている間に一部とけのこり、底にしずむのだそうです。

カステラはどうやって作るの?

基本的には卵と砂糖類を充分泡立てて、そこに粉を入れて混ぜて生地をつくり、その生地を型枠に流します。それを型枠ごと窯(つまりはオーブンのこと)の中に入れて間接熱で焼き上げます。

カステラのできるまでの一連の流れは横浜文明堂さんのサイト上で画像つきで見ることができます。カステラのできるまで(横浜文明堂HP)

今は電気やガスのオーブンが普及していますが、江戸時代にどうやって焼いていたのか不思議ですね。江戸時代にカステラを焼くために使われていた「窯」も基本的には今のオーブンとメカニズムが同じです。上下の熱源で窯の中を温めてその熱で焼くものです。とはいえ、熱源は炭火で今のものとはずいぶん雰囲気が異なります。

江戸時代に使われていた「窯」の写真は江戸時代からカステラを作っている長崎のお菓子屋さん、松翁軒さんのサイトで見ることができます。

家庭で作れるカステラのレシピはこちら

カステラの地域性

有名なカステラメーカーといえば...というと、コレがかなり地域差があります。

本場長崎のカステラ御三家というと松翁軒、文明堂(総本店)、福砂屋でしょうか?

関東地域で有名なカステラメーカーはなんと言っても「カステラ一番...」の文明堂ですが、日本橋文明堂 と 横浜文明堂があり、少しずつラインナップが異なります。

近畿では長崎カステラの福砂屋や長崎堂(大阪府)などが有名ですが、こと大阪に限ると「銀装」というメーカーがあります。銀装のカステラは他のカステラに比べるとちょっと洋風というか、ライトな感じです。

また、全国津々浦々に名産の農産物を生地に配合した個性的なカステラがあります。

長崎名物、桃カステラ

桃カステラをご存じですか?

 

桃の形に焼いたカステラの上をきれいにシュガーコーティングしたものですが、これは長崎でお祝い事に使われるカステラです。桃の節句によく使われますが、それ以外にもお宮参り、婚礼、出産等のお祝いに使われるそうです。

最近では県外へのお土産としても人気なのだとか(管理人もお土産でいただいたことがあります)。

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投稿者:狸穴猫


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