第8話 冷ややかな眼差し

出てくる人物、機体

クリス・リリース 前にも出ました。今回も同じ設定。ただし乗る機体は違う。デュオの幼馴染であり、リリーナと一度会ったことのある少女。18歳。

ウィングガンダムゼロカスタム ヒイロ・ユイのかつての愛機。装備は、マシンキャノン、ツインバスター・ライフル、ゼロシステム、ビームサーベル×2。 ゼロシステムによる戦闘システムにより、パイロットの潜在能力を全て引き出す代わりに、その精密な戦闘作戦システムが自分の死を見ることがあり、普通のパイロットが乗れる機体ではない。 かつて最初にヒイロ・ユイが乗った時も、暴走を開始し、味方敵ともにすべてを破壊してしまったこともある。 クーデター時にツインバスターライフルの反動と、サーペンドカスタムの攻撃を受けて大破している。

ガンダムデスサイズヘルカスタム デュオ・マックスウェルのかつての愛機。装備はツインビームサイズ、バルカン×2、ハイパージャマー×2、バスターシールド 接近戦に優れる上、どんな戦闘地形にも対応している。水中や砂漠などの特殊地形にも対応できる代わりに射撃戦はできない。 月を後方にクロークを広げた姿はさながら死神に相応しい。 が、クーデター時には死神は誰一人の命を奪うことは無かった。 クーデターが失敗に終わったときに、完全平和主義のために自爆している。

ガンダムサンドロックカスタム カトル・ラバーバー・ウィナーのかつての愛機。 装備はビームマシンガン、ホーミングミサイル×2、バルカン×2、シールドクラッシュ×2、ヒートショーテル×2、クロスランチャー 白兵戦を想定しているため近接戦闘が得意だが、射撃戦闘もできる。 主に砂漠で戦闘するタイプ。防御力の高さは全てのガンダムの中で1番高い。 クーデター時に自爆した機体でもある。

ガンダムヘビーアームズカスタム トロワ・バートンのかつての愛機。 装備は、ダブルビームガトリング、バルカン×2、マキシムキャノン×2、ホーミングミサイル×12、ガトリング×2、マイクロミサイル×10、アーミーナイフ。 射撃戦を主としているため、弾切れになった場合にはアーミナイフで戦う。 そのため水中での戦闘に向いてはいない。 かつてクーデターが起きたときに、このガンダムではなく、サーペンドカスタムで、クーデター側の情報を入手するために、デュオと戦うことになった。 クーデター時には、完全平和主義のために自爆している。

アルトロンガンダム  張・五飛のかつての愛機。 装備は、バルカン、ツインビームトライデント、ドラゴンハング。 防御を無視し、近接戦闘に長けた機体。使用者の意向によるものもあり、射撃戦闘は一切無い。 これは、射撃などという卑怯なまねをしなくても俺は勝てるとの意思があるのかは分からないが、そういう気持ちがあったのは確かで、そのためシェンロンガンダムからアルトロンガンダムになったときには、ビーム砲撃、火炎放射器を全てはずしている。

戦艦リーブラ 過去のクーデターの前の戦争時に使用された、戦艦。 ゼクス・マーキスがかつて地球に対して宣戦布告したときに、地球政府から奪取した戦艦を改造した仕様。 大きな口径から発せられるリーブラの主砲は強大である。 かつて、ガンダムの研究者が最後の手段として、宇宙戦艦ピースミリオンをリーブラにぶつけて、地球へ戦艦が落ちることを回避している。ただし、その際に破片が地球に降下し、間一髪のところで地球に長い冬がうまれる所だった。それを未然に防いだのはヒイロ・ユイのウィングガンダムゼロである。

ここはL4コロニー付近。
地球圏統一国家と共存しているコロニーの内部では、ガンダムの製作が着々と進められていた。
カザロフ「現在の完成状況はこの程度です。過去のクーデターの際にデータは取れてますので、開発状況はいたって順調。ただ、ゼロシステムについてはデータが少ないので、開発に少々遅れが出る恐れがあります」
ライザ「だろうな、ウィングガンダムゼロは、ウィングガンダムのプロトタイプで、研究者が黙秘にしていたものだ。少々遅れることは覚悟している。」
カザロフ「当時の研究者は皆、ピースミリオンをリーブラに突撃させたときに死んでしまった。ウィングガンダムゼロカスタム自体も、ゼロシステムのデータはほとんど残っていない。まるでガンダムが二度と製造されないようにという意思が働いているようです」
しかしライザはその話に一言こういった。
ライザ「ガンダムは平和利用のために生まれた。それが戦争に使われてしまった。戦争のために作られたものだと考えたほうが自然なら、私たちが今ガンダムを作るのもおかしくは無い。」
カザロフ「ライザ閣下。この戦争の結末は、悲しいことが宇宙を覆います。貴方はその中になにを見つけますか?」
最初から分かっているような質問をするカザロフに、カザロフの予想に反するような一言を言った。
ライザ「私が思ってること・・それが正しいのかを知りたい。完全平和主義が偽りであるかを知りたいのだ。かつて戦場にいたものとして、戦場で死んだ人間を語ること無しに平和など語り継げないと信じている。
だから、だから私は全力で戦う」
カザロフ「貴方の真意はそれでしたか・・・。最初私は、軍事政権を作り上げることによる、正義の代弁者になることが目的だと思っていました・・失礼ながら、閣下の言葉を信じていたわけではありません。ですが今気がつきました」
すこしため息をつくと、カザロフは
カザロフ「貴方についていくしか、道がないということを」
思い出した。

かつて統一国家・・・いや、OZ軍のころか。私はゼクス・マーキスの、あのリーブラの巨光を止めようと、リーオーであの砲台の目の前に立とうとした。だが、同僚達はそれを引き止めた。

そして、地球に巨光が落とされた。

だれがための正義だろう。後で知ったことだ。島には少数の人間が住んでいたらしい。
ちょうど、観光地として使われていた島は、跡形も無くなった。
その直後に、私の両親は行方不明になった。知らない。あの巨光で死んだ人間は確実にいたのだ。
そして、それが不幸にもこの私の父と母だ。
まったく愚かなものである。だが、愚かだと言って笑ってられはしない。

コロニーサイドには、自治連邦組織があることをあるとき知った。
完全平和主義の意義を問うということを必死に考えていた人間はたくさんいた。

その平和主義の下につまれてるのは誰だ。平和を望んで死んでいった物の屍か?
なら、平和でもなんでもないではないか。ただの、犠牲の名を偽った仮の平和。

どんな結末であっても、私は受け入れる。だから、完全平和主義よ。1つの道標を紡いでくれ。

ライザ「ウィングガンダムゼロカスタム、ガンダムデスサイズヘル、ガンダムサンドロック、ガンダムヘビーアームズ、アルトロンガンダム・・・・。この開発状況は順調だが、秘密裏にやれているだろうか?」
カザロフ「ご心配なく。人間は悲しいことに、先の利益だけを見るようなものなのです。」
つまり、賄賂である。
地球の治安は良いものの、いまだにクーデターの影響もあり、特にコロニーでは混乱が生じている。
そのため、賄賂等が横行しているのが現実である。

カザロフ「ガンダムはなにかを示してくれますよね、ライザ様。」
ライザ「ああ。」

整備工場には、1人の少女がいた。

クリス「これが・・・ガンダムデスサイズヘル」
18歳になったばかりの少女。デュオのかつての愛機をみるなり、そうつぶやいた。
クリス「まったく、戦争なんて起きなければ良いんだけどね・・」
そういうと、クリスは回想した。

デュオ「なぁ、クリス。」
クリス「なに?」
デュオ「またMSが外でてったなぁ。」
クリス「見慣れた光景よ、男の子にはかっこいいと思えるのかしら?」
デュオ「冗談いわないでくれよ、人殺し機械なんかに興味ないぜ。」
あっさりいうと、デュオはこう言った。
デュオ「お前って戦争好きか?」
クリス「嫌いに決まってるじゃないのよ。人殺しの果てがあれなんだから。」
デュオ「そりゃあそうだよな。どっかの大人が言ってたな。たしか・・・えーと、なんだっけ・・」
頭を捻らせ考えるデュオ。そして
デュオ「思い出した。」
クリス「教えなくて良いわよ」
デュオ「いんや、教えておく」
クリス「しょうがないわね、聞いてあげるわ」
デュオ「人間は生まれながらにして凶暴だってな。俺達、そういう意味からすればおかしいかもな」
クリス「ばっかじゃないの?まぁいいわよ。」

そのときはあっさり受け流したが、今思うと、デュオも同じような人間だったのだろうか。

わけわからないわ。あんなこといったのに、なんで戦争なんかしたのかしら。
平和のための戦争ってなに?戦争したら平和なんか問題にもならないわ。

外に出て、じっくりと地球を眺める。

クリス「綺麗ね。怖いくらい。」
そういうと、外の風景・・・青い星をにらみつけるかのように眺めていた。

後書き。
カスタム系統で出揃ったけど、まだまだ戦闘シーンはなさそうだね
うん、それだけ


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