第5話 それさえもまた、彼らには関係の無いことで・・・・

初めて出てくる人たち、機体

サーペンドカスタム 火力の高い、クーデター時に使われた機体。バズーカ、ビームライフル、マシンキャノン、ダブルガトリングガンを装備。

プリペンター 職業です。情報屋という類。

ヒイロ「ニュースも物騒な話しかない。末期的だ」
そう一言ヒイロは言うと、リリーナは
リリーナ「そんなこといわないほうがいいわ。どんなことが起きたって絶対もうなにも起きないと・・思うわ。」
少しいつものリリーナとちがって、不安げな顔をしているリリーナに、ヒイロはこう言った。
ヒイロ「そうだな。だが・・・」
そういうと、テレビのほうを指差し、
ヒイロ「だが、仮に何かが起きても、俺たちにできることはない」
そういって紅茶を飲む。
その様子を見てリリーナは、ヒイロに
リリーナ「何かできないなんて、いわないで。貴方には人を幸せにすることができるじゃない」
ヒイロは、その言葉に首を横に振った。
そして、ヒイロは重々しく口をあける。
ヒイロ「人を幸せにする力が、時として人を不幸にさせる力にもなる。」
そういって、リリーナに、「テレビを見ろ。」と言った。
リリーナ「なに・・・これは・・」
過去のマリーメイアのクーデターについて、再び議論し、分かれている議会の様子である。
これで仮に、クーデターが空想の仕組まれたものだとするならば、ヒイロ達は再びまた孤独になる。

この様子をテレビで見ているのは、ヒイロ達だけではない。
レストランにあるテレビで、デュオとヒルデも見ている。宇宙ではトロワ、カトルがこの議会を見ていた。
デュオ「おいおい、メシの時に縁起の悪い話してほしくねぇもんだな。」
ヒルデ「笑ってる場合じゃないでしょ。自分達のことなのに。」
デュオ「んなもん、そのときになるまでわかんねぇよ。第一、こんなんで俺たちをつかまえられるわけねぇ」
そういうが、デュオの顔は軽く苦い顔をしていた。
なんでいまさらこんな変な話が出てるんだ。今更何を話すんだ?俺たちは平和のために戦ったんだ、違うのか。
なのに、なんでこんなことになってる?俺たちはよくよくついてねぇな。3年もたって何があるんだろう。
デュオ「ヒルデ、大丈夫さ。どうせ俺らはずっと一緒だろ?」
ヒルデ「馬鹿、なにいってるのよ。あったりまえでしょ」
デュオ「おーし、ステーキもう一皿!」
ヒルデ「ちょっと、食いすぎよ、いいかげんにしなさい!」
2人とも薄々感づいていた。デュオの一言の危うさに。大丈夫さ。どうせ俺らはずっと一緒だろ?・・・・。
デュオ「さて、もう家にかえるか!」
ヒルデ「あまーい。外食につき合わせたんだから、今度は私に付き合う番でしょ。さ、買い物行くわよ〜!」
デュオ「えー、そりゃねぇぜ!」
ヒルデ「なにかいったかしら?」
デュオ「い、いや、なんでもねぇよ。(おっかねぇなぁ)」
そういうと、デュオとヒルデは買い物へと、商店街に消えていった。

カトル「こんな、こんなことなんでまた話すのさ!わからないよ!」
そういって一人大声をあげたのは、カトルである。
資源衛星管理のため、宇宙にきていたカトルは、呆気にとられた。
ラシード「どうしたんですかい?カトル様」
カトル「ラシード、これを見て!」
ラシード「へい、・・・なんですか、これは、狂言ですかい?」
カトル「狂言なんかじゃない、これは一体・・・」
テレビからは、議会の様子が流れる。

メイリス「スグータフ大統領、すでに仕組まれたと思われる物的証拠はそろっています。第一に、コロニー落しに関して、結果的に落とされなかった上、ガンダム5機がとめるはずが、止めることができず、クーデター側の脅しに使われたこと。第二に、ガンダム5機がすべて証拠隠滅がために破棄されていること。第三に、完全平和主義の時代での平和に反することで、なぜガンダムを持っていたのか。他にもありますが、この3点において、なにか大統領、意見はありますか?」
深く深呼吸をしたスグータフは、回答席に立ち
スグータフ「コロニー落しに関する話についてだが、ガンダムとはいえ、すべてができるわけじゃあるまい。第一、コロニー落しは、脅しのためにつかわれただけで、ガンダムとの関連性を主張できるものじゃない。5機の証拠隠滅についてだが、全ての機体が最後にすべて自爆、もしくは破壊されたのは、真の平和を手に入れることが出来たからゆえのこと。断じて証拠隠滅などではない。そして、ガンダム所持についてだが、太陽に破棄されていた破片を、クーデターの際に回収したまでのこと。なにゆえ所持を最初からしていたといえるのですか。」

メイリスは怖気ずに、こう答えた。
メイリス「貴方の話を聞くと、明らかにガンダムのパイロット擁護のような気がしますね。第一については、脅しに使われる前に阻止できる時間は、あったはず。少なくとも、それを遂行することはできるはずです。第二についてですが、なぜ証拠隠滅じゃないと言い切れますか。その後の武力放棄のために使われたとして、他の勢力がまた攻め込むようなことがあれば、それは思惑通りということですよ。また、第三については、太陽に破棄したとあれば、回収は出来ないはず。回収できないと論理的にはわかるでしょう、大統領。」
メイリスはこのときに、手元に持っていた無線をONにして、座ったときにこう言った。
”開始”

この様子を見ていたのは、カトル、ヒイロ、デュオだけではない。トロワや、五飛もその一人だった。

五飛「なんだ、これは」
サリィ「また問題になってるのね・・・飽きないわね、役人様は。」
その様子に少しばかり五飛は途惑った。
五飛「過去のクーデターに話題がそらされているようにも見えるな」
サリィ「そんな詮索どうでもいいわ。けど、このままだと・・・」
五飛「バカなことを言うな。貴様が自信のないことが1番みていられん」
そういうと、五飛はスイッチを消した。
五飛「俺は、俺の正義のためにやったまでだ。間違ってるなんて思わない。だが、そんなこともわからぬ奴らに、この問題を論じていられるものか!」
そういうと、五飛はドアを開けて、出て行こうとした。
サリィ「待ちなさい、五飛。」
五飛「俺は、女に興味は無い」
しかし、サリィは腕をつかんで
サリィ「黙って結末ぐらいみなさい。あんたは焦りすぎなのよ。」
五飛「焦っていようとも、俺は俺がやれることをやるまでだ」
サリィ「それが大統領府に押し入ることかしら?」
五飛「ああ、そうだ」
サリィ「しょうがないわね、実力行使よ」
そういうと、サリィは力を加えて五飛をドアの中に連れ戻した。
五飛「なにをする。その気になれば貴様など俺の敵ではない。なのに、なぜだ!」
サリィ「少しその口を黙らせて置きなさい」
そういって、サリィは五飛の口にキスをした。
少し同様したが、五飛はこういった。
五飛「これが女の武器とやらか。なるほど、その武器に俺は手を上げようか」
そういうと、五飛はドアを閉めて、椅子に座り、サリィはテレビをつけた。
”ちょっとはずかしかったわね”サリィはそう思った。

一方、トロワは、一人テレビを見て、
トロワ「俺には関係の無いことだ。」
と一言ぽつりと言った。
キャスリン「貴方のことよ?」
しかしトロワは、そういわれてもなお、こう答えた。
トロワ「もう、姉さんを置いてきぼりにはしないよ」
結果的にこの言葉がどうなるのかはわからない。が、キャスリンは一言
キャスリン「強がるのはやめなさい。あなたがかなり怒ってるのはまるわかりなんだから」
そんな言葉を無視して、トロワはこの言葉の一点張りである。
トロワ「それでも、俺たちには関係の無いことだから。」
キャスリン「そう、でも・・・」
トロワ「俺たちは、こうして自分の仕事をこなせば良いだけだ。違うか?姉さん」
キャスリン「馬鹿ね、あなたも。」
そういうと、キャスリンはテントから抜けて、団長の方に向かっていった。トロワは一人テントに残り、テレビに向けてピンを投げ、テレビを割った。
トロワ「なんでだろうな、またこんな怒りが込み上げてくるのは」
そういうと、トロワもテントから去っていった。

ヒイロ「俺たちには、もうなにもできることがない」
リリーナ「何もしなくていいわ、貴方は。大丈夫よ、私たちは何も間違ったことはしてないんだから。」
そういって、テレビを消した。
ヒイロ「すまないな・・・こんなつまらない話をして」
リリーナ「いいの。貴方の話を聞けるだけで十分平和ですばらしいわ」
そういうとリリーナはパンを焼き、ヒイロに出した。
そのパンをかじりつつ、ヒイロはこう言った。
ヒイロ「リリーナ、もしこれが本当になったら、お前はどうする?」
その一言にリリーナはきっぱりとこう答えた。
リリーナ「貴方についていきますわ」

議会では、あいかわらず会議を続行していた。
スグータフ「さて、この辺で終わりにしましょう。議題はまた明日ということで。」
その一言のあと、すぐにプリペンターの一人がやってきた。
プリペンターA「大変です、大統領。ディアンカ要塞にて暴動が発生しました、MS・サーペンドを75機確認!」
スグータフ「なんだと?!」
あまりに突然のことであった。ゴルダゥ議長にもそれが伝えられる。
ゴルダゥ「皆様、この会議を終わらせるわけには参りません。ディアンカ要塞にて暴動発生した模様です。
唯今より、対策議会を設置いたします。」
そういうゴルダゥの号令に、メイリスは一人笑っていた。

後書き
ついにここまできたぞ、今日は出てくる人たちが相当度に少なかったから難しかったけどさ。
次もがんばります。

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