第11話 ガンダム爆破作戦

この話で初めて出てくる人物、及び機体

L-4 F24333コロニー ガンダム製造の拠点となっているコロニー。

テラ・フォーミング 用語です。地球により似せた惑星、もしくはそうするという計画を言います。

それぞれが宇宙に上がった。
目指すはガンダム製造の拠点となっている、L-4 F24333コロニー。
L-4 F24333コロニーはクーデターの後に作られたコロニーで、地球により似せた環境を作り出すためということで、火星のテラ・フォーミング化に先駆けて初めて作り出されたコロニーである。
コロニーとしても始めて、球体により近い形となっており、完全に地球をイメージしたものと分かる。

カザロフ「ライザ様。」
ライザ「なんだ?」
少し重々しい雰囲気だ。なによりカザロフはこのことを1番口にしたくなかったであろう。

カザロフ「地球に忍び込んでいた、メイリスとギルメルが、それぞれ死亡いたしました」
ライザ「・・・・なるほど」
カザロフ「最後に無線に、録音されておりました言葉をお聞きください」

・・・・・・
メイリス「本当に正しいのでしょうか、我々は。本当に嘘偽りがないのでしょうか。
少なくとも貴方にはある。もはや歯止めはかけられません。貴方は戦争の道へと進んでいらっしゃる。
我々が聞いたのとは別の方向へ。真逆の。
その真実を我々は最後までこの地上で見ることは、とても耐えられないことです。
多分、ギルメルも。
私は、罪の審判を天界で受けながらも、最後までこの世界を見つづけましょう。そして、貴方様の描いた未来の最後を」
・・・・・・・・・

カザロフ「その12分後、ギルメル、メイリス共々、死にました。」
ライザ「分かったようだな。」
カザロフ「全ての真実をあの人たちに見せつけるのは無理だったのでしょう・・・・」
ライザ「これで、私は2人を殺したことになるな・・・」

彼がもし、なにも嘘偽り無く正しく道を描いて、間違った道に反れたなら、それはまだよかった。
だが彼は、最初から正しい道を歩もうとはしていなかった。
いわばスケープゴート・・・犠牲の子羊を踏んで歩く茨の道を選択したのだ。

ライザ「もう後戻りは出来ない。カザロフ、私についてくるか」
カザロフ「・・・・貴方が最後の賭けに出たときに・・・それは決めさせていただきます。」
ライザ「そうか・・・・では今はどうだ」
カザロフ「・・・・ついていきます」

そのとき、ドアを叩く音がした。
テクス「お話の最中に失礼いたします」
ライザ「構わない。カザロフ、席をはずしてくれないか」
カザロフ「っは。」

テクス「ライザ様。わざわざこの3人を呼び寄せたわけは・・・」
ライザ「これから客人が来るはずだ・・・・恐らくな。」
ネリィ「へぇ、それはだれですかい?」
ユリウス「面白い相手ならいいのだけど」

少し躊躇した。ライザは言うべきかどうかを。
ライザ「ガンダムのパイロットだ。」
その言葉には重みがあった。しかし3人にはまるで並のパイロットを今からあしらうような雰囲気だ。

テクス「問題は無いでしょう。わたしたちはやるべきことをやるだけです」
ネリィ「んー、そうだな。相手が誰であろうと全力でやったほうがいいからな。もっとも、時間があれば甚振るがな」
ユリウス「やめなさい、ネリィ。戦いはある程度楽しまなきゃ。ゲームは時間制限があるわ。」
テクスを除く全員は、少し冗談が混じっているような表現をしている。

ライザ「お前らがそれならそれでいい。やれるだけやれ。」
3人「っは!」
ライザ「よし、下がれ。」
そういうと、3人は全員はドアの向こうへ消えていった。

ヒイロ「ここか・・・」
L-4 F24333コロニー。
ここはライザがMSを製造している地域だ。
リリーナ「いたって普通のコロニーだけれど・・・・」
そういうと、コロニーの周辺地域を眺めるようにしながら、工場へ向かっていった。
ヒイロ「大きさから言うと、MS1つ分の高さはあるな。」
リリーナ「不自然なぐらい横長ね」
ヒイロ「政府は何をしている・・・・・。リリーナ。ここにいろ。」
リリーナ「わかったわ。気をつけて。」
ヒイロ「ああ」
そういうと、中に入っていった。

監査官「おい、このMSは一体なんだ!」
テクス「防衛用MSだ。なにか問題があるか?」
ヒイロ「なんだ?」
奥へ進んでいくと、大声を張り上げている監査員がいた。
監査員「そもそもガンダムを作ることも違法だ。その上このMS・・・・機体名は?」
テクス「貴方に言うことではない」
監査員「なに?地球圏統一国家の平和協調論に反することだ。今すぐ撤去しろ!」
しかし、テクスは軽く苦笑し、こういった。
テクス「君にそれをいわれてもな」
そういうと、調査員を次々と殴り、気絶させていった。
ヒイロ「・・・・」
そのとき、肩を叩く音がした。
咄嗟にヒイロは持っていた拳銃を構える。が・・・・
デュオ「俺だよ。なんでお前までいるんだ?」
ヒイロ「・・・・お前か。」
幸いにして、いまだに建設中の機体の製造音で会話は聞こえない。
ヒイロ「それはいい・・・・だがどうする」
デュオ「そうだな〜。この先に多分ガンダムとかあるだろうし。とはいっても、できればここのMSも全部破壊したいねぇ」
ヒイロ「無理な望みはするな。」
ヒルデ「そうよ、デュオ。まったく、落ち着きがたりないというか・・・」
ヒイロ「デュオ、ヒルデを置いていかなかったのか?」
デュオ「落ち着きが足りねぇのはこいつもだよな」
ヒルデ「デュオほどじゃないわ?」

喧嘩になりそうな雰囲気に、ヒイロは
ヒイロ「冗談抜きだ。ここを突破しなきゃいけない時に喧嘩するな」
と落ち着かせた。
デュオ「あいつとりあえずなんとかしなきゃな」
ヒイロ「見ている限り、簡単に突破させてはくれないだろうな」
するとヒルデが
ヒルデ「手榴弾だれかもってる?」
そういうと、ヒイロは手榴弾を出した。
ヒルデ「ダミーはあるかしら?」
ヒイロ「ああ」
もう1つ取り出すと、デュオは
デュオ「わかったわかった。一緒に投げてその隙に突破しようっていうんだろ?」
ヒルデ「馬鹿ね。ヒイロさん、大体わかるでしょう?」
いきなり聞かれたヒイロだが、
ヒイロ「ああ。大体な」
ヒルデ「貴方が分かってると説明しやすいわね。んじゃ説明するわよ」
そういって、ヒルデは説明し始めた。

デュオ「ああ、はいはい。んじゃそうすりゃいいんだな?」
ヒルデ「そうよ。んじゃ行くわよ・・!」
デュオは飛び出した。

デュオ「おらおらおら、死神のご登場だぁ!盛大に迎えやがれ!」
そういうと、持っていた拳銃を乱射した。
テクス「来たか。」
しかし、テクスは自分に向かってきた弾を拳銃ではじき返した。
デュオ「なに?!」
テクス「遅いぞ。」
デュオに向かって走り、蹴りを食らわそうとする。
しかし・・・・
デュオ「遅いのはお前だよ、お前!」
そのとき、テクスに向かわなかった弾が、急にテクスのほうに飛んできた。
テクス「跳弾か!」
跳弾とは、文字通り壁に当たっても跳ね返る弾のことである。
一度の目は壁に反射し、二度目は本当に殺傷能力がある。
はじき返した弾は潰れてしまったものの、他の弾は確実にテクスに向かってきたのだ。
しかしその弾をひらりとテクスはかわした次の瞬間。
ヒイロ「甘いぞ。」
そういうと、ヒイロは奥のMSの建設機材などにむけて手榴弾を投げた。
ネリィ「こんなところで戦闘なんざしたくないねぇ・・・でも!」
銃弾の音を聞きつけてか、ネリィが飛び出してきた。
手榴弾に向けて思いっきり蹴りを食らわした。
ピンをあけてから5秒で爆発する手榴弾を、2秒ほどではじき返したのだ。
と、同時に、ネリィは今いる場所のシャッターを下ろした。
ネリィ「流石に爆風で自分までしにたくないね!」
ヒイロ「まだだ」
もう1つ隠し持っていたダミーの手榴弾を手榴弾に向けて投げた。
その瞬間わずか残り1秒。
シャッターの方へ向かった手榴弾が爆発する。
ネリィ「っく、なかなかやるねぇ!」
シャッターが壊れる。先ほど乱射した弾の内、上に向かった弾のほうがシャッターに当たっていたのだ。
一方テクスは受身の態勢をとって、後ろに引いた。
ヒルデ「今よ!」
そういって、デュオもヒイロもヒルデも一斉にシャッターの向こうへ。
爆風で身動きを取れないネリィ。
しかし、

ユリウス「悪いわね、形勢逆転よ?」
マシンガンを突き出す。しかし
??「貴様が戦っても、勝てない」
影から現れたシルエット。
ユリウス「っつ!」
五飛「女は戦うな!」
青龍刀を突き出す五飛。
手元に持っていた銃で咄嗟に防御する。
と、拳銃が・・・・
ヒイロ「チェックメイト(王手詰み)だ」
ユリウスの頭に拳銃を突きつける。
デュオ「こっちも終わったぜ?」
ネリィに拳銃を突きつけ、武器を奪うデュオ。
ヒルデ「あとはあの背の高い人・・・あら?!」
先ほどまでいたはずのテクスは消えていた。
デュオ「畜生、仲間呼んでくるぜ?」
ヒイロ「とりあえず武器をそいつらから取れ。」
そういうと、ユリウス、ネリィの武器は全部取られてしまった。

ヒイロ「時間は無い。警報装置も鳴っている。恐らくこの奥にあるはずだ。」
五飛「行くぞ、足音がする。」
4人は奥へ消えていった。

後書き
長すぎたか。
MSの戦闘の前に個人戦闘ってのは問題があるが。
一応ヒイロもデュオも潜入、隠密活動等、格闘能力も高いんです。
ヒルデは一応軍人。
五飛は中国拳法の達人ですので、戦闘がうまいのは理の当然なわけです。

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