第10話 俺たちの成すべきこと

ここで出てくる人、機体その他。

マグアナック(機体) 中東国のゲリラ集団の持つ機体。40人全員機体をカスタマイズしており、どれ1つとして同じ機体は存在しない。

妹蘭(メイラン) 一族最強の看板を背負い自ら「ナタク」と名乗る娘。五飛の婚約者であったが、先の戦争で死亡している。それ以来自分のシェンロンガンダム、アルトロンガンダムを、「ナタク」といっている。

レディ・アン 地球圏統一国家のプリペンダー。トレーズ・クシュリナーダの付き人だったが、トレーズが死に、戦いが終わってからはプリペンダーとしての、平和維持の戦いに身をゆだねた。

ヒイロ達にも、当然その話は耳に入ってきた。

そして、リリーナもヒイロも当然の結果だと、信じたくも無い現実を受け入れるしかなかった。
ヒイロ「リリーナ。ついて来るか?」
リリーナ「まだ戦いは終わってないのですね・・・」
ヒイロ「どうする。」
リリーナ「行きましょう・・・・これで戦いを最後にするために。」
ヒイロ「お互いに・・・約束しようか。」
そういうとヒイロはリリーナに
ヒイロ「死なないことを。」
リリーナ「そうね、私も貴方も・・死なないわ。」

どうしようもないことになったと思ったのはヒイロだけではない。デュオも、カトルも、五飛も、トロワも。皆同じである。

トロワ「俺は・・・トロワ・バートンだ。自らの任務を遂行する」
キャスリンに挨拶もせずに・・・・それどころか振り向くこともせずにサーカスを去るトロワ。
ただ一言、呟いただけだ。
”大丈夫だ、姉さん”

後になってキャスリンはトロワがいないことに気がつく。しかしトロワの後を追おうとはしなかった。
キャスリン「勝手にしなさい・・・どうであろうと私は泣かないわ。」
弟のように慕っているキャスリンは、絶対涙を流さないと・・誓ったのだ。

デュオ「んじゃ、最後の任務行ってくるぜ。」
夜中に密かに家から出ていこうとしたデュオは、ヒルデがドアの目の前に立っている事に少々途惑った。
しかも宇宙に行く準備をして。
ヒルデ「あんたーだけ行かせるなんてことしないわよ。観念しなさい!」
デュオ「お〜お〜、勝手にしろよ、まったく・・・」
ヒルデ「あんた勝手にいなくなって、残された人の気持ちぐらい考えなさいよ。まぁ、私はデュオがいなくても生きていけるけど!」
強がるヒルデに
デュオ「はいはい、強がらなくても良いですよ、お・嬢・様!」
ヒルデ「なによそれ!ちょっと、待ちなさい!」
まるでどこかに旅行に行くかのように2人は走っていく。これからの戦いが厳しくなることを知りつつも、今この瞬間を忘れないようにと。

カトル「ついて来なくて良いよ?ラシード。」
ラシード「そうは言いますが、カトル様。もしもの事があります。お役に立てないかもしれませんが、マグアナック隊をどうか、お連れになってください」
そういうラシードに対し、微笑を浮かべてカトルは
カトル「マグアナックじゃ、宇宙には行けないよ。それに・・・」
少し間を空けてカトルは
カトル「もう戦いは終わったって、前にも言ったよ?」
ラシード「カトル様・・・」
カトル「大丈夫だ。僕は命の大切さを知ってるから。これ以上誰も殺してはいけないって知ってるんだ。だから・・兵器は要らないよ」
そういうとカトルはシャトルに乗った。
ラシード「われら中東国、マグアナック隊。全身全霊を尽くしカトル様に忠誠をお誓いいたします。主君は貴方様より他にはいません・・・」
1人ラシードはそういうと、シャトルをどこまでも果てしなく見つめていた。

五飛「俺は1人で行く。戦場に女は連れて行かない。」
サリィ「あら、情報屋は少しは役に立つと思ったけど?」
多少揺さぶるようにサリィは五飛に向けて放った言葉に、五飛は
五飛「俺の信念を曲げるわけには行かない。ナタクは要らない。もう、俺の心の中にしか、ナタクはいない。」
このとき五飛が言った”ナタク”は自分の妻、妹蘭のことである。
かつて、OZによってコロニーへの襲撃を受けた際に死亡している。
サリィ「それで貴方の信念が貫けるなら私はここに留まるわ。」
五飛「それがいい。例えついていこうとしても俺は断るからな。」

そういって、五飛はドアの向こうに消えていった。
その様子を、サリィは
サリィ「ごめんなさいね、私は、お節介なのよ。」
そういうと、サリィも時間がたった後、外へ出て行った。

こうして、少年少女は再び、戦場に立つことになる。

こうしている間にも、地球圏統一国家は、今にも崩壊の危機を迎えていた。
プリペンダーのみが武器を所有している以上、大軍のサーペンド相手に苦戦を強いられることになる。
レディ「流石に手ごわいな・・・!」

レディ・アンもその1人である。
地球圏統一国家の機体は、主にリーオーや、トーラスなどの旧式の機体だ。
サーペンド部隊には苦戦を強いられるのは無理も無いことだ。
なにより、装甲の硬さからも違いがある。

だが、レディ・アンはトーラスを使いこなし、サーペンドを撃破してきた・・・。
かつてのプリペンダー、ノイン・ルクレティアの腕には劣るものの、レディの実力は相当のものがあった。

しかし、そこにきて、ウィンディアムのMS建造の情報が入ってきた。
そして、コロニーの武装化宣言も・・・。

スグータフ「ネクロよ、今ここで再びモビルスーツなどを使って、戦おうというのか。」
ウィンディアム「スグータフ大統領。リリーナ・ピースクラフトの思想・・・完全平和主義への実現は、まだ時間を置くべきです。我々にはなにもない・・・このようなもの、力さえあれば幾らでも対処のやり方があったというのに。」

大統領の言葉に、そう反論するウィンディアム。その上で、ウィンディアムは
ウィンディアム「大統領。時代の最後に何があるのか、だれも知りません。ですが、この主義だけでは、だれも戦うことが出来ないとわかっております。」
そういって、拳銃を突き出す。
スグータフ「ネクロ!」
ウィンディアム「まだ、後処理は終わっておりませぬ。」
拳銃を突き出したまま、スグータフは収容された。
実質、ウィンディアムが政府の実権を握った。そして・・・・

ウィンディアム「プリペンダーよ、貴官らは撤退せよ。くりかえす、貴官らは撤退せよ!」

その言葉に、レディは
レディ「今ここで引けば、確実に民は死にます!」
と答えた。それに対し、ウィンディアムは
ウィンディアム「もうすでに、プリペンダーは要らないのだ。新たに・・・・軍部が機体を持っておる。」
レディ「大統領ではありませんね、貴方は誰ですか?!」
ウィンディアム「私は・・・・新たなる大統領だ・・・・そして、この歴史に終止符をつける者だ!」
そういうと、プリペンダーは撤退命令に逆らうことなく、政府に戻っていった。
レディ・アンも、政府のプリペンダーである以上・・・撤退しなければいけなかった。

ゴルダゥ「ウィンディアム・・・!やめろ、貴様がなにをやっているか分かっているのか!これ以上戦火を広めるわけには行かないのだ!」
収容されていないゴルダゥ議長は、必死にウィンディアムに抗議した。
ウィンディアム「そうとも、これ以上戦火を広げないためだ!」
そういうと、完成度70%の機体・・・カシオピスと、デネビリオの出撃を命令した。

ゴルダゥ「また宇宙は戦火に見舞われる!貴様も私も、だれもかもが今のままでは済まなくなる!大統領の意思・・・リリーナ・ピースクラフトの意思に逆らうことになるのだ!例え今武器がいるとしても、絶対に我々はそれを手にとってはいけないのだ!」
ウィンディアム「手にとらなくてもコロニーは地球を侵略する。そしたらまた軍事政権に代わるだろう。今、たった今という瞬間だけ、武器を持っていても、問題はあるまい!」
ゴルダゥ「それが宇宙と地球の平和共存といえるのか!」
その言葉に、ウィンディアムは
ウィンディアム「なら貴方はその平和共存とやらを、今すぐに実現するべきだな」
ゴルダゥはその言葉にただただ押し黙るしかなかった。

後書き。
なんか変になってきたな。ずいぶんと。
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