くまなび−おまけ−アライグマがたまごの親になるの記

アライグマがたまごの親になるの記 

2000年2月アライグマはなぜかか花島農園という農園たまごの親になった。
親といっても名付け親で、名は「きもっ卵」という。当然食ったが、あまりにもうまい!!
えらく気に入ったもので、紹介してしまうことにする。
−前座−

いかにしてアライグマがたまごの親となりしか

−アライグマがきもっ卵食べるの記−

●まずはお味見  ●死闘カステラ
●やっぱりすき焼き  ●ふんわりチーズケーキ
●酒飲みの友、黄身のみそ漬け  ●仰天、月見うどん

前座も結構長いので、読みたくないひとは後半に先に行こう


前座
2月10日深夜23:30過ぎ

最近はやりの懸賞系メルマガをふらふらと見て「コンテスト」の文字が目に付く。

「地鶏の卵の名付け親 賞品:卵30個 花島農園」とある・・・ふーん。
でも、卵の名前なんてもう出過ぎてて思いつかないと思いつも、そこは意地汚い雑食性のアライグマのことある。「卵」の1文字に釣られてふらふらとメーラー画面上のURLをクリックする。

重い動作の288モデムにのって画面が送り込まれる間しばし後悔。うーん、やっぱり無理だ思いつかん。「ま、鶏さんの顔でも見てみよう、運がよけりゃ、養鶏関連情報があるかもしれないし」と、思い直す。

そうこうしているうちに応募ページにたどり着く。その瞬間目に入って来たのは「うわあ」
声を上げたくなるほど大きい字で書かれた送付先メールアドレス!!

う・・最大サイズの見出し属性をつけたな! 

アライグマしばし呆然。最大サイズの「H1属性」というのはこういうやつだ↑↑↑

ココまでメールアドレスをでかくするのは普通それなりに勇気がいる!
こりゃあ「肝っ玉」のすわった農場主さんだべな〜、ここの鶏さんもさぞや肝っ玉がすわっていることだろうよ、あはは。ま、これ見ただけでもそれなりに来たかいがあったというもんだ。楽しませてくれるじゃあないか。

 ん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん・・・・・・
肝っ玉・・・・肝ったまご・・・・肝ったま・・・きもっ卵(きもったま)

とまあ、かくして突発的に思いついた卵のネーミングであったのだが、このとき既に23時40分過ぎ!
おお、締め切りまであと20分!

結構早目に締め切っちゃうところもあるから、間に合わぬかも知れない
と思いつつ、結構出来の良い名前だと思ったので、とりあえず出そうと、CGIのないのにいらつきながら応募メールを急いで書きあげすぐ送信!時間は既に23時50分過ぎ。
送信して寝る。

====おやみなさい====

で・・・翌日に当選内定通知が届く。いやあ、早い!家族経営ならではの即決だ。夜中の家族会議で決まったのかな?などと想像してしまった。案の定、拙熊の応募がラストだったそうで・・・

かくしてなんともあっさりと、アライグマは花島農園の
地鶏卵の名付け親になってしまったのであった。


「そうか、極上の卵30個かあ!うれしいなあ、うっふっふ」と感動もつかの間、そのときアライグマは巣穴の冷蔵庫の卵のストックを思い出してしまった。

生協から来たばかりの卵が10個、何故かそのとき血迷って手に入れていた健康食品屋の平飼い有精卵が8個。その上、前々日に生協の注文書で卵を注文してしまっていた・・・・・この上30個来たら・・・なんと計58個。アライグマ、しばし卵の山におぼれる感覚にに襲われる。3人家族で食べきれるのだろうか・・・・・・

しかし、よく考えてみたら、食べ比べができるではないか!
それにアライグマ、小学生の頃から20才くらいまで、クマは養鶏場の近くに住んでいて、週に二回は生み立ての卵を買いにいっていた。3人家族で卵の2キロくらい(LL玉で30個だな)一週間で消費してしまう卵好きの家で育ったのだ。

 関係ないがアライグマはその養鶏場のチビって犬とすごく仲良しだったんだよね。
        うーん、ネーミングが思いついたのはたまご屋のチビ(といっても
        結構でかい雑種犬だったが・・・・)のおかげだな、きっと。

そうだ、卵の山におぼれるほどアライグマはヤワではない!食いきったる〜!
そこで、とりあえず、卵大量消費の権化であるカステラを作ることにして、
気の早いクマは早速材料であるザラメを買いに走った。

しかし、アライグマには一抹の不安があった。

それは「きもっ卵」がうまいかどうかである。
育ちが育ちなだけに、スーパーの安売り卵に抵抗があり、アライグマは、結構ふだんから卵選びにはこだわっていたのである。ええい、あの肝っ玉のすわったメルアドに賭けるしかない!!


とりあえずお味見
13日の日曜日、日曜日だというのに朝の9時前にクロネコ君が卵が届けてくれる。
とりあえずひとつも割れずに無事ついたことを確認してとりあえず花島さんへ報告。
一緒に送って下さったさしみこんにゃくもプルプルしてうまそー!へっへ


届いてすぐ、まずは味見を試みる。

ふだんの調子でテーブルにコツン・・・う・・・割れない。
「うーん、いいもん食ってるな・・・あの鶏たち・・」と農園のHPの画像を思い出しつつ期待が膨らむ。

鶏さん←こーいう連中です 実像は花島農園で見ましょう)

もう少し勢いをつけて再度トライ・・・・やっと割れた。
小鉢にポットンとなかみを落として一応黄身を箸で持ち上げてみる。うんうん、ちゃーんとつかめる。

花島さんからのお知らせに箸でつかめるかどうかみるようにとあったのだが、ふだんから箸で黄身がつかめる卵は食っているのでアライグマは卵に対しては厳しいのだ。とうぜんまだチェックは続く。

黄身を放してもう一度箸でつかむ。おお、OKだ、これはなかなかいけそう。
(一度はできても同じ黄身で二度三度つかめるというのは珍しい。)

醤油をたらーりと垂らしてグルグルかき混ぜる。白身のこしもかなり強い。よく混ぜてさてととそのままずるずると口に流し込む。うーん、こりゃなかなかうまい。白身にありがちな生臭みがまるでない!

これは先が期待できるぞと、アライグマはひとりほくそ笑むのであった。

一個消費 残り29個




死闘カステラ
午後、ご飯に掛けて食べたい欲求を抑えつつ、卵消費の王者カステラにチャレンジ。
実は、卵さえ良ければカステラというのはわりとお手軽にできるのである。
(逆にいえば安売り卵なら乳化材がないととてもこわくて作れないのである)

味見で知ったかなりの腰の強さと濃厚な味に、乳化剤の使用をやめることを決断するとともに、これは手強いと早々に手動の泡立てをあきらめ、電動ピーターを持ち出した。
一番大きいボールに卵8個を割り、秘蔵の和三盆糖と愛用の粗製糖を半々に入れて湯煎にかけ、泡立て開始!
低速で回していたら・・・・

げげっ!黄身がくずれないでピーターをすり抜けて回ってる!!!

うーむ、丈夫な黄身だ。仕方がないので・・・とガシガシつぶしつつスピードを高速に切り替え、
やっと液状にしたまでは良かったが・・・・・

ふえーん、泡立たない!
言い忘れたが、使用したレシピは「全卵」で泡立てるもの。
全卵は質の良い卵ほどこしが強すぎて泡立てづらいのだ!!!!
こんな泡立てづらい卵は初めての体験である。

「きもっ卵」め、やってくれるな・・・と、電動ピーターを持つ手に気合いが入る。しかし、気合い入れたからどうなるものでもない(当たり前だ!!)。そのうち電動ピーターの連続使用可能時間が気になってくる。オーバーヒートする前に泡だってくれ・・・と祈るばかりである。

15〜20分もたったろうか?そろそろピーターのほうがやばい!というころに何とか泡立てが終了。あー、よかった。

粉と牛乳と蜂蜜を混ぜてザラメをしいた型に流す。おお、こしが強いだけあって粉を入れても泡が消えないでご機嫌のリボン状の種になる。

さあ、焼き上げだ。20分ほどで甘い匂いがキッチンに立ちこめる。
焼き上げの50分間ちゃんと膨らみ続けてくれました、よしよし。

食べるのは一晩寝かせた翌日・・・・うー・・・待ち遠しい。

<後日談 できあがった20センチ×30センチのでっかいカステラは、わずか三日でアライグマ一家
の胃袋におさまったのでした。>


 8個消費残り21個




晩ご飯らしくない晩ご飯
カステラの香りですっかりおなか虫がうるさくなったので夕御飯。

やっぱり「卵まんま」が食べたい!ともう一匹と意見が一致した。
で、夕御飯らしくない夕御飯。

 ご飯
 しじみのみそ汁
 生たまご
 海苔
 卵と一緒に届いたプルプルさしみこんにゃく
 厚揚げと小松菜と豚肉のさっと煮

相変わらず「きもっ卵」の殻の堅さに慣れず、割るのに手間取る。
ちなみに、某自然食品屋さんの「平飼い有精卵−××××卵」とコツン比べと味比べをする。軍配は・・・どちらも「きもっ卵」だった。

巣穴のもう一匹が「この卵ですき焼き食べたらうまいだろうなあ」とのたまう。

う・・・
そ・・そりゃこの卵をすき焼きにつけて食べればうまかろうが・・・・うーむ!!!
だって、卵が良いならある程度ちゃ〜んとした牛肉でないと・・・・。(ああ、もうすっかりお肉と卵の主客転倒思考をしているのであった。)

私は卵かけご飯で十分幸せだああ!
でも、すき焼き食べたい・・・・・でも・・・
結局すき焼きを食べようか悩みながらアライグマの夜は更けてゆくのであった。

3個消費残り18個




やっぱりすき焼き
あけて月曜・・・珍しく夕方かなり遅く夕飯の買い物にでた。

すると、いつも買い物をする駅のショッピングモールの肉屋さんに人だかりが・・・。
なにいっっっっっ全品半額!!!

そうか、「明日は休館日」の看板がかかっていたっけ。この瞬間、本日のメニューはすき焼きに決定。
コレを天恵と呼ばずしてなんと呼ぼう。(ああ、庶民!)

ちょっと健康的に、山形産の有機飼料で育ったという牛さんのすき焼き用の立派なお肉をちょっといつもより多めに買い込み、そそくさと家に帰る。ニタニタしながらすき焼きの準備をしていると、
子グマに「かあちゃんどーしたの、なんか変」といぶかられる。

ふん、なんとでも言え!わたしゃご機嫌なんだ。

実はうちの子グマは生卵が比較的苦手なのである。良い卵でないと受け付けない。
「白味が生臭いのがいや」なのだそうだ。
前日、親につられてか、卵かけご飯をばくばくと食べていたが、すき焼きに卵をつけるのは、卵かけご飯よりさらに苦手なのだ。

ああ・・子グマの不安をよそに割り下と肉の良い匂いを振りまきながら鍋は煮えたぎる・・。

子グマは、先入観かしばし身構えていたものの、
「だまされたつもりで食べてみなよ。食ってみてダメだったら食ってやるから」
と言ったら、おそるおそる卵につけてすき焼きを食べ始める。

子グマ:「この卵・・・くさくない」
拙熊:「ほれ、言ったとおりだろ、どんどん食いな。」

3匹で勢い良い鍋をつつき、そんなこんなで一気に5個胃袋に入る。

5個消費残り13個



すき焼きの残り香
翌日昼

前日のすき焼きの残りに冷凍うどんを放り込み、汁気の少ない煮込みうどん。
これもすき焼きのように卵をつけて食べる。

ジャンクな食いかたではあるが、コレはうまいんだぞ〜。卵がうまいのですぐなくなる。

2個消費残り11個


チーズケーキのまき
カステラがなくなったのでチーズケーキを作ることにする。

なぜチーズケーキかというと、カステラと違って、泡立てが卵白の泡立てになるから、「きもっ卵」がどう泡立つか、その様子をみてみたかったのである。
そう。スフレタイプのチーズケーキだ。

全卵が泡立てにくかったのに味をしめ、ふだんなら電動ピーターを引っぱり出す5個もの卵白の泡立てを手でやることにする。(全卵が泡立てづらい卵ってのは、こしが強いので卵白だけのときは逆に泡立てるのは楽なのだあ!)

予測は外れず、5〜6分ほどでピーンと角が立つまで泡立つ、そりゃ、泡立て器は8本線のプロ用だけど、それにしてもはやい!憎いね、この>きもっ卵

チーズケーキを焼いたのは久々だ。ちょい膨らみがよすぎてすこし焼き色が濃いめになる。

<後日談 これもまたわずか二日で3匹の胃袋におさまる。・・・・ったく、うちの連中はよく食うぜ!>


飲兵衛の友 黄身の醤油漬けのまき
チーズケーキを作ると、卵黄が3個ほど余る・・・で、余った卵を飲兵衛の友、黄身の醤油漬けにしようと、ボールにとっておいた卵黄をみてビックリ!

「卵黄が立ってる!!!!!!」
卵黄というのは多少の盛り上がりの差異はあっても
基本的には濃厚卵白に支えられているもんだと思っていたが・・・・



矢印の部分の立ち上がり角度がこうもきつい卵はみたことがなかった・・・・

=============黄身の醤油づけの作り方=================
たっぷりの「つゆの素」に卵の黄身だけを放り込む。
ときどき揺すって一晩から二晩おくと、水分が抜けて醤油の香りの
しみこんだ黄金色の黄身の醤油漬けのできあがり。
 ねっとりしたその味は、酒の肴にもってこい。
==========================================================

しかし・・・お酒タイムの夜まで待てず、ある朝 アライグマはご飯と一緒に黄身の醤油漬けを食べてしまったのでした。 これもまた美味しいのだ!!!

 チーズケーキと合わせて5個消費 残り6個
 


ある朝の朝食・・・・ノーマルにベ−コンエッグ
ようよう慣れてきて勢いよく「ゴツン」と割り、フライパンの上で
ジュージューいっているベーコンの上に落とす。
白味の盛り上がりがうまそうである。

火を通しすぎてはもったいない!と
黄身が半熟になるよう、火加減に厳重に目を光らせる。


残り3個
  


仰天、月見うどん
午後、アライグマBが突如「うどんが食べたい!」と言いだし、「ぼくも〜」という子グマがあいのり。
おやつタイムがうどんタイムとなる。

「おやつだからね、葱くらいしか入れないよ!」うどんをゆで、その間につゆを作る。今日は関西風にしよう。

アライグマBが「卵入れてよ」とのたまう。煮えたぎった汁に無造作に「きもっ卵を落とし」半熟になるまで煮る。ゆでたうどんに汁をはり、半熟になった卵をのっける。

ふだんより白味が散らないような気もしたが、丁寧に落としたせいだろうとさして気にとめなかった。

実はそれから後が問題だった。
それを見た子グマが「ボクも卵〜!」というので
鍋に少し残った汁をわかし、冷蔵庫の野菜室にあった「ふだん使っている某生協の赤玉卵」を落とす・・・・・
(きもっ卵は玄関先に置いてあったので、また取りに行くのが面倒だったのだ)
ところが、落としてみたらさあ、たいへん。

うわあ・・・・白味が散っていくぅ!ぶくぶくしてくる!!

「きもっ卵」は落としたときの白味の散りも少ないのであった。
こんなに白味の散りかたが違うとは・・・・またもや脱帽。
いやはや、ものごと、よく比べてみるまでわからないものだ。

1個消費残り2個
 


名残のオムレツ〜後遺症
残り2個となってアライグマは気がついた。
そうだ、オムレツを食べてない。

ゴツンと卵を割り、少々の牛乳と塩胡椒だけの味付けで
力強く混ぜて軽くほぐした「きもっ卵」
愛用の四つ葉バター熱したフライパンにジャッ!

ふんわりトロリのオムレツを3匹で仲良くつっついて、
きもっ卵30個は全部アライグマ一家の胃袋におさまったのでした。
2個消費残り0個

あー、おいしかった。

 おまけ−「きもっ卵」後遺症−

 1)ふだんの卵にもどったとき、「ゴツン」とやりすぎ、ひびが入りすぎてあわてる。
 2)子グマが「きもっ卵が食べたい」とわめく。
 

きもっ卵のネットデビューが待たれる今日この頃である

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