教育2002年問題 教科書は限界まで薄くなった

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教育2002年問題 低学力問題の元凶?

知っているひとは知っているが、知らないひとは知らないのが2002年の指導要領の改訂問題。教育関係者ならいざ知らず、学齢期の子供がいるってだけでは知らなくても当然。だって指導要領なんて滅多にお目にかかるもんじゃないもんね。

指導要領に関する基礎知識

まずは「指導要領」っていったいどーいうもんかっていうと、ひらたく言えば「えらくわかりづらい、学校の先生のための指南書」といったところだろうか。あんなわかりづらいモン読まされるんだ・・・学校の先生達も気の毒である。(公立の学校には必ずワンセットは置いてあるもんなのだ。)

で、どうやってできるかというと、大体こーやってできる。

文部省に「学識経験者」なる人たちが呼ばれて「文部省のお役人さん」のコーディネートで何回か座談会(懇談会とか審議会っていう)をやる。その結果を参考にお役人さん達が「答申」ってえもん作り、それを参考に「お役人さん」が「今度から学校でこーいうことを教えることにしましょう、こういう方針で学校を運営しましょう」ってのをひとまとまりにする。で、国会の「文教委員会」ってところで一応お披露目をして(これ、法律ではないから「本会議」は経由しない。)これで一丁あがり。

座談会の報告やら答申なんてのは文部省のホームページに公開されているので、興味があったらのぞいてみたらいいかも知れない。今回の指導要領改訂に絡むのは「中央教育審議会」ってのと「教育課程審議会」の関連のものだ。(しかし、長いし面白くはない。ただ座談会・・懇談会ってやつのなかにはなかなか笑えるのがある・・・・)

まあ、指導要領というのは大体10年程度で改正されることが多いのだが、これまでほとんど話題になったことはない。市井の人間にとっちゃは「あら、教科書が変わったのね〜」くらいの感触だもんね。まあ「生活科」なんてもんが登場した時には「なんじゃこれ?」ってなことを考えたひとはいたかも知れないが、どっちにしろ、大して問題視されたことはなかった。

指導要領改正でなにが起こっていたのか?

ところがどっこい、今回はなぜかその「指導要領」に関する書籍までアライグマのよく行く本屋にまで派手に目立つと言うほどではないがホイホイ出没するのである。ネット上にも反対運動署名活動のサイトがあったりする。賛否両論にぎやかこの上ない。

まあ、アライグマはずっと教育を追っかけてたから、教科課程の変遷は「答申」の段階から知ってはいたが、いやはや、ここまで盛り上がるとは思っていなかった。

今回の指導要領の改訂の骨格を激烈に簡単にしてしまえば「子どもたちのゆとりと自主性を尊重するため、生きる力を養うために教科内容を3割減らし、そして教科内容の枠を超えた総合学習って時間を大幅に取ろう」ということである。

しかし、実を言えば前回、前々回と、教科内容の削減は続いており、今回の削減が実現すれば25年前の「半分以下」になるのである。ずいぶんと思い切った削減である。

ってなわけで

「子どもたちのゆとりのために内容を精選するために大幅削減すべき!」
「これ以上教科内容を減らしたら国民がダメになっちゃうじゃないか!」
まあ、根拠はまちまちだったりするが、この二つの論がぶつかっている
わけだ。

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