大学受験における実験器具の取扱い

7.ふたをする、つなぐ
え!ふたなんてただすりゃいいんだろ?なんで1項目できてんだ?
そんなアナタはキケンです。

ふたするのだって結構技術なんだから・・・
【A】 漏らさぬように・・・・

容器にはものを「容れる」んですから入り口と出口が必ずあります。
但し、入り口出口共用というときもある。

試薬瓶、メスフラスコなどの共栓や活栓なんてのはガラスのことが多いですが、
ガラス管を突っ込んでの装置を組んだりの必要性があるところでは「ゴム栓」「コルク栓」が活躍します。

まずはふたをする第一の目的はというと「漏らさない」ことにつきますね。
とりもなおさず内側から見れば「外と遮断されてる」という状況を作ることでもあります。

気体を一時的に閉じこめておく集気瓶(広口瓶)のふたは一時的に気体の拡散が防げればそれでいいわけですからガラス板を使います。

いろいろ装置をつなげて反応装置などを組むときで気体を漏らしたくないとき(漏らしてはいけないときも含む)にはゴム栓あるいはコルク栓などにガラス管を通し、容器の入り口に栓をしつつ、気体の流路を確保していきます。

コルク栓、ゴム栓を比較すると気密性や不純物の混入可能性の問題、コスト面からゴム栓の方に軍配が上がりますが、コルク栓には「軽い」「有機溶媒に強い」「穴が開けやすい」などの利点があります。(ゴム栓って穴開けるの骨折れるんだよ〜)

まあ、ベンゼンなど「ゴムを侵す」溶媒を使うとき以外は基本的に「ゴム栓」を使うものと思っておきましょう。
【B】 つなぐモノ・・・

ガラス管などを通した栓でふたをしたら・・・・・その先ずっとガラス管と栓で・・・・そりゃガラス管もちょっと加熱してあげれば相当曲がってくれますから、ガラス管で装置同士をつなぐこともありますが、ガラスだけでは役不足という場合、「ゴム管」なんぞでつなぐ事も多いですね。

ゴム管が陰圧でつぶれてしまいそうな場合や内圧が高めでゴム管がふくれるような時は当然耐圧ゴム管という圧に強い厚手のゴム管を使います。
【C】装置全体を見回して・・・・

ふたをしたりつないだり・・・・こうやって装置を組んでいくのですが、安全面で非常に重要なことがあります。「内圧」です。

コイツと外気圧との差に装置が耐えられないと装置はいとも簡単に壊れてくれます
同じ枝がついたフラスコ状の器材だからといって、枝付きフラスコを吸引瓶の代わりに使ったら・・・・・壊れるだろうなあ・・・・・ってこと。

それから、部分的に圧が変化して逆流してはならないところが逆流したりってことも考えておかなくてはいけません(温度ひとつで圧なんぞころっと変わるんですから)。
そういうところには、圧を逃がしたりするためのピンチコックなどの安全装置をくっつけておきます。

特に気をつけるのは濃硫酸で洗気するケース。濃硫酸というのは溶解熱が非常に大きいですから、逆流して別の水溶液が濃硫酸に入ったり、濃硫酸が別の水溶液中に入ったりということはぜったいに避けなくてはなりません。安全瓶と呼ばれる分離用の安全装置を
つけておきます。