大学受験問題における実験器具の取扱い

1.注ぐ、混ぜる(液体のみ・・・混合操作は液体しか入試にはでないのだ)
【A】 注ぐ、混ぜる<その1−まずは混ぜるものをどう容器に入れるか−>

何らかの液体を容器に注ぐわけだが、まずは「安全第一」
元の容器から安全に出し・・・受け側容器で安全に受けなければならない。

簡単に言ってしまえば「ビチャビチャはねないように」or「ちっとくらい液面近くではねても容器からは飛び出さないように」ってこと。

(1)流し込む場合
・静かに注ぐ。
・漏斗を使う(ビーカーなどの場合、漏斗の下部は器壁につける)
・ガラス棒を伝わせる。
(2)滴下する場合
・飛び散りづらい容器を受け側に使う。(具体的にはフラスコ類、コニカルビーカーなど、口が狭めのもの)
・液面に近いところから滴下する。(といっても、近づけすぎないようにはしないといけない。)
とまあこういう基本的なことに加えて、混ぜてすぐ反応するかどうか?生成物に気体が含まれるか、気体である場合、それを捕集する必要があるか?などで装置ぐみが決まってくる。

滴下の場合は、滴瓶、ビュレット、ピペット、滴下漏斗、分液漏斗などを使うことになるが、特に問題になるのは、「すぐに気体が発生する場合」だ。

発生した気体が安全な気体で、かつ捕集の必要のない場合は受け側容器の口を塞ぐ必要はない(少量の2酸化炭素、少量の窒素など)が、捕集の必要があったり、毒性、引火性などの関係で捕集する必要がある場合は、受け側容器の口を塞ぎつつ、滴下する必要に迫られる。

こうなると、滴下漏斗を栓に通して滴下するしかない(揮発性の液体を滴下する場合、栓がある方が都合がいいので分液漏斗を使用する場合もある。)
【B】 混ぜ方<その2−まんべんなく混合する−>

とりあえず液体に何かを入れたり、何かを溶かしたりするときには
「均一にする」という操作が必要であることも多い。

当然実験であるからして特別な混ぜ方が・・・・・あるわけない。

かき混ぜりゃ混ざるのはお玉で鍋かき回すのと全く同じ。
何が違うかというと、道具立てである。

酸やアルカリを使うこともおおいし、とにかく反応にかき混ぜるものが反応しないようにしなきゃいけない。それにガラス容器を使うことが多いので容器を割らないように気をつけなくちゃいけない。

(1)一番簡単なのは「振る」こと。道具がないから何も考えなくて良い。
適応は試験管、コニカルビーカー、フラスコ類、分液漏斗

要はこぼさないように振ればいい。・・・・となると、蓋のないものは基本的に円を描くように振ることになる。
で、分液漏斗は栓ができるので、上の栓と下の活栓をおさえて両手で上下にシェイクだ。
(2)ガラス棒を使って混ぜる。
口の広い容器にはこの手が使える・・・そう、ビーカーが主な適用容器だ。
ガラス棒でグルグル混ぜる。

注意点はひとつだけ、器壁に振れないように
ビーカーなどの薄手の耐熱ガラスにガラス棒が当たると結構いい音するが、良い音させちゃダメなのだ。
容器が割れてこぼれたらあぶないこともあるからね。
(3)マグネチックスターラーを使う。(参考)
プラスチックで棒磁石を包んだ攪拌子を容器に入れ、容器の下の装置で電磁石を作動させ、容器の中の棒磁石をグルグル回し、溶液をかき回すのだ。
反応中ずっと攪拌し続けなきゃいけないときには機械任せですむので疲れない。

ただ、平らな装置の上に容器を置くことになるので平底の容器にしか使えない。
そう、コニカルビーカー、三角フラスコあたりがお得意さんの容器です。

注意するのは攪拌子を入れるとき。滑り込ませるようにそーっと入れないと、攪拌子を入れるときに容器がガッチャン!ってこと。
モーター駆動で上から突っ込んだ棒付き攪拌子を回すってのも実際にはよく使うが、まあ、試験には出ない。