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おせちは買う時代って本当?-超まじめに考えてみる/2018秋-

おせち購入に関する統計をよみとく

本当に「おせちは買うもの」という流れはあるの?

昨年の話しになります。

2017年9月13日、ハースト婦人画報社とリンベルが共同運営する通信販売の「婦人画報のおかいもの」から、来年の正月のおせち料理に関する調査結果が発表されました。

これによると、来年のおせちを購入するとこたえた人は56%にのぼるのだそう。

マイナビニュースのダイジェスト記事はこちら

 

これだけ見ると「おせちは買うもの」という流れがあるように思えますね。

さらに、2017年9月4日、高島屋や大丸・松坂屋からおせち発売に関する発表があり、テレビでもネットでも多くの報道がありました。そして概ね「おせちは買うもの」という流れが強いと報道されていたように記憶します。

そして2018年秋もそう言った報道があいつぎました。

TBSニュース http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3524509.html

 

お正月なび管理人は、かなり疑問に感じていたので前からちょっとこのあたりについて調べていました。

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差異が大きすぎる!おせち購買動向調査二つ

一般社団法人日本惣菜協会から発表されている「2017年惣菜白書ダイジェスト版pdf」を見てみると、「おせちを購入していない」が各地域で8割を越えるという、前述の「婦人画報のおかいもの」アンケート結果とはほぼ真逆ともいえる結果が見てとれる。

とんでもない落差!

日本惣菜協会の「惣菜」の定義には冷凍おせちは入っていないとはいえ、調査によってかなりの差があると言うことだけはいえるのではないでしょうか。

報道される市場規模から考える

重詰めおせちの市場は600億とも800億とも言われています。

売れ筋が1万円~1万数千円といわれるので、単価12000円として割り算すればおおよその個数がはじき出せます。

600億円の場合

60,000,000,000÷12,000=5,000,000(セット)

800億円の場合

80,000,000,000÷12,000=6,666,667(セット)

ということは、500万~670万セットの重詰めおせちが購入されているということになる。

日本の世帯数は約5330万世帯(2015年国勢調査データ(総務省)より)、うち単身世帯は1842万世帯であるから、非単身世帯は3488万世帯。

ここから計算すると、重詰めのおせちを購入しているのは総世帯の9.4%~12.5%。(A)

おせちは家族で食べることが多いということを考え、単身世帯での購入がほぼないとして計算すると14.3%~19.2%(B)

 

ここでどちらのデータが信憑性があるのか?を論じる必要はあまり意味がないでしょう。

母集団が違えば調査結果が異なるのは当然ですものね。

 

二つの調査の結果の隔たりから見るおせち購買動向とは

二つの調査はどちらもネット調査であることは同じです。

調査規模としては日本惣菜協会の調査のほうが大きいですが、婦人画報のおかいものの調査も回収数600を越えており、かなりの信頼度を確保できる規模だといえます。

どちらもそれなりに自信をもって発表した資料であるでしょう。

 

残念ながらこの段階で結論を出せるのは 

「真のおせち購買動向はこの2つの値の狭間にあることが推定される」

 

ということだけです。

 

母集団の違いはどこだろう?

つぎに調査に協力した層(母集団)の違いを考えてみましょう。

婦人画報のおかいものの調査の母集団

「婦人画報のおかいもの」による調査の母集団は、「婦人画報のおかいもの」のユーザー。

「婦人画報のおかいもの」は、高級なお取り寄せグルメが中心ラインナップのショップである。デパートのグルメアイテムより単価の高いものも多く扱っている。Webサイトのイメージも伝統・格式・高級感といったものを全面に出しており、「お買い得」「コストパフォーマンス」といった形の訴求はほぼ見かけない。

となれば、そのユーザーは、

「美味しいものに関心が高く」

「伝統的なものへの親和性が高く」

新しいものを取り入れることへの抵抗は少なく」

「高級志向が高め」

「購買力は比較的高め」

といった層であることが推察されます。

そういった層を母集団として得たデータが婦人画報のおかいもののおせち調査データなのでしょう。

ここから推測できるのは、上記のような層ほど、通販でのおせち購入への意欲が高い可能性があるといったこと。

 

昭和の昔、デパートのおせちを購入、あるいはデパートのおせちに憧れていた方たちと似たような志向性の方が、今の「通販高級おせち」をもり立てているのかもしれません。

 

惣菜協会のおせち調査の母集団は?

総菜協会の調査の母集団はというと、ネットアンケートに協力する層です。

ネットアンケートに協力することによって、ポイントをためたりするのがお好きな方が多くなるでしょう。

ネット情報の利用能力が高い層とはいえますが、高所得者の比率が多いとは考えにくいのではないでしょうか。

ネット利用力が高いということは比較したりといったフットワークもかるいでしょう。 

コストパフォーマンスにはかなり厳しい層といえるかもしれません。

 

売れ筋おせちってどういったもの?

このあたりから、いわゆる「売れ筋おせち」を考えていくと、

 

コストパフォーマンスに厳しい層にどうやって受け入れてもらうかといった観点

そして、

高級志向、伝統指向の強い層に抵抗なく購買してもらうにはどうしたらいいのかといった観点

この二つの柱が見えてくるような気がいたします。

 

昔はおせちを作っていたのか?という疑問

 

40年ほどまえ、私が小学生のころ、首都圏のベッドタウンの某市あたりでは小箱に入った単品おせち料理が年末の食料品店やスーパーの店頭に大量に並んでいました。

全部つくって重詰めにする...という話はあまり多くなく、何品かは買って何品かは作って...というスタイルが多かったように記憶します。

私の実家でもそういったスタイルでした。 

そういったこともあり「昔はおせちを作っていた→今は作られなくなった」という筋書きを素直には信じる気にはなれません。

 

本当のところはどうなんでしょう?

この辺は年が明けてからまた調べてみたいと考えています。

 

まとめ

いろいろ検討してみましたが「買うのが主流」「買わないのが主流」、どちらにも結論づけられないということだけはいえそうな気がします

よい資料があるよ...という方は是非ご教示くださいませ。

 


 

投稿者:狸穴猫


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